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 中央アルプスで半世紀前に絶滅したとされる国の特別天然記念物・ライチョウの復活を目指す環境省は1日、北アルプス・乗鞍岳(3026メートル)から3家族19羽(母鳥3羽、ヒナ16羽)を中央アルプス・木曽駒ケ岳(2956メートル)にヘリコプターで移送した。現地で1週間ほど保護し、放鳥する。5年後に100羽まで増やす計画だ。

 中央アルプスでは1969年以降、目撃例がなく、絶滅したとされてきた。ところが2年前、木曽駒ケ岳周辺で北アルプスから飛来したとみられるメス1羽が見つかった。同省信越自然環境事務所(長野市)は昨年から「繁殖個体群復活作戦」に乗り出した。

 6月上旬、このメスが産んだ無精卵と、飼育施設の有精卵の入れ替えに成功。5羽が孵化(ふか)したが、巣に近づいたサルに驚き、散り散りになって寒さで全滅。乗鞍岳で保護した3家族を移して増やす作戦に望みを託すことになった。

 現場で指揮を執った中村浩志・信州大名誉教授は「これからライチョウ家族を中央アルプスの環境に慣らします。放鳥したら、登山者の皆さんは遠くから見守ってほしい」と話した。(近藤幸夫)