[PR]

 大相撲7月場所14日目は1日、ただ一人1敗だった照ノ富士が関脇正代に敗れ、新大関朝乃山も照強に足を取られて3敗目。朝乃山と正代、御嶽海の両関脇が1差で追う混戦となった。楽日は優勝の可能性がある4人がそれぞれ激突。朝乃山―正代、照ノ富士―御嶽海が組まれた。

首かしげる照ノ富士、意識散漫だった朝乃山

 この日に決着の可能性もあった賜杯(しはい)レースは一転、首位を争う新・元大関のつまずきで混迷が深まった。

 先に、単独先頭を走る照ノ富士がこけた。戦績で拮抗(きっこう)する関脇正代を相手に両差しを許し、いなしに崩れたところで勝負あり。「優勝を意識してプレッシャーがあったのでしょう」と藤島審判長(元大関武双山)。転げ落ちたたまり席で、のっそりと立ち上がった元大関は唇をかみ、軽く首をかしげた。

 この敗戦が、控えにいた朝乃山に影響したか。喜ぶ気持ちを押し殺そうとしたのか、重圧を感じて硬くなったか、普段のベビーフェースは表現しようのない複雑なものに変わっていた。

 勝てば首位に並ぶ結びの相手は格下の照強。だが同部屋の照ノ富士への援護射撃をもくろむ小兵の奇襲・足取りにひっくり返された。痛恨の2連敗。この日も取材に応じなかった新大関を、八角理事長(元横綱北勝海)はこう見る。「優勝争いとか勝たなきゃあいけないとか、意識が散漫だった。新大関にしては荷が重い感じが出ている」

 4人に優勝の可能性を残して、千秋楽へ。単独首位の照ノ富士が有利なのは変わらない。本割でぶつかる御嶽海が勝てば、朝乃山―正代の勝者を含めた3人による決定戦となる。序二段まで落ちた元大関が復活を果たすか、14年ぶりの新大関優勝か、はたまた関脇による大逆転か――。いずれにせよ、幕切れは劇的だ。(松本龍三郎)