[PR]

 地名にすら「レイクタウン」が入るこの街はどう変わるのか。ストリートスナップを得意とする写真家がライフワークにする個展「Around LAKE TOWN7―social distance―」が1日始まった。撮影は新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛が求められ始めた3月末からの約2カ月間。突き動かしたのは「記録せよ」という写真家の本能だった。

 越谷市袋山の山崎弘義さん(64)。写真と縁が出来たのは市広報課に配属されてから。その後、私淑した写真家山内道雄さんの写真展で「街の風景に写された人の孤独感が突き抜けていた」と衝撃を受け、写真専門学校の夜間部に入った。

 2001年ごろから撮影対象は認知症になった母親に。亡くなる04年まで撮り続けた。その後、「街に溶け込む人を撮りたい」と思い、越谷レイクタウンを撮影ポイントに選んだ。

 市南東部にあるこの地区は計画人口2万2400人、計画面積225・6ヘクタールのニュータウン。計画は区画整理事業と大相模調節池設置事業が同時並行で始まった。08年、武蔵野線「越谷レイクタウン駅」が開業して街開きし、巨大商業モールもオープン。市役所は12年、定年前に退職した。

 90年代の田園だった光景を知る山崎さんは、大きく変化していく様子を目に焼き付けておきたかった。「レイクタウンは記録性という写真の魅力が発揮できる素材です」。個展1回目の「Around LAKE TOWN」は17年9月。以降、年2回のペースで同一タイトルで続け、今回が7回目だ。最初の頃は外していたショッピングモールも19年から撮影対象に入れた。

 撮影を始めた3月末は東京や埼玉の知事らが「不要不急の外出自粛」を要請していたが、「ショッピングモールもスーパーのみの営業で専門店は休業。週末詰めかけていた客は消え失せたが、住民たちは淡々と日常を過ごしていた」と山崎さん。

 「ステイホーム」のなか、ひるむ気持ちもあったが、今を記録しておかなければという思いが勝った。マスクをつけ、社会的距離もとった。マンションのベランダで「自粛」する人、調節池近くで読書する人やギターを弾く人など37点に凝縮した。「数年後にそういうことがあったと振り返れるようになっていればと願うばかりです」

 東京都新宿区四谷4丁目のギャラリーヨクト(03・6380・1666)で11日まで。午後1~7時、入場無料。(春山陽一)