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 観測史上初めて7月に台風が一つも発生せず、サンゴの大規模白化の懸念が広がっている。専門家は「このまま台風が来なければ海水温が下がらず、本島周辺でも広範囲で白化しそうだ」と指摘する。気象庁は1日、沖縄の南にある熱帯低気圧が台風4号になったと発表。今後、先島諸島へ近づくとして、専門家らは動向を注視している。

 サンゴに適する海水温は18~28度。高い状態が続くと、成長に欠かせない褐虫藻がサンゴの本体から逃げて骨格が透け、白化する。気象庁によると、7月31日の沖縄周辺の海面温度は30度。7月下旬は「平年よりかなり高い海域がみられる」としている。

 台風は災害や農作物に影響を与える一方、海水をかき混ぜ、夏場に上昇する水温を下げる効果がある。

 2016年にも高水温で県内各地のサンゴ礁で白化が広がった。琉球大学海洋自然科学科の中村崇准教授は「現時点で、16年のような異常高水温域の拡大は認められないが、このまま台風が接近しなければ、本島周辺でも広範囲で白化が考えられる」と不安視する。

 環境省石垣自然保護官事務所は7月に石垣市の名蔵湾を調査し一部でサンゴの白化を確認した。大嶽若緒自然保護官は「台風が、程よく海水をかき混ぜてくれれば」と期待した。(沖縄タイムス)