[PR]

 甲子園出場という目標が消え、練習もままならない中で迎えた夏だった。学校再開後の6月に急きょ開催が決まった独自大会だったが、グラウンドでは球児たちが全力プレーを貫いた。71校67チームによる15日間の熱戦を振り返る。

 この夏を制したのは仙台育英だ。今大会は期間中の選手の入れ替えを認めていたため、試合ごとにメンバーを替えて記録員を含む3年生40人全員がベンチ入り。準決勝までに選手38人全員が出場した。須江航監督と田中祥都主将(3年)らが「何のための大会か」と話し合って決めた方針だった。

 初戦からの3試合はすべてコールド勝ち。その後も柴田、仙台一と実力校を破り、決勝では仙台に8―2と快勝した。

 仙台はノーシードながら仙台城南や東陵など私立の強豪を破って準優勝。1998年に選手権宮城大会を制した公立の強豪校だ。左腕エースの鎌田健太郎君(3年)が6試合をほぼ一人で投げ抜き、打率も3割を超えた。

 4強入りした東陵は大会屈指の左腕エース佐藤柳之介君(3年)が原動力になった。140キロ超の速球を武器にシードの仙台商と東北打線を完封し、33イニング連続無失点を記録した。仙台一は、投手陣のエース奥山虎太郎君(3年)と篠村大翔君(3年)の二枚看板が引っ張った。

 昨秋は地区大会で敗退した利府は8強まで勝ち進んだ。最速151キロを誇るプロ注目のエース氏家蓮君(3年)を擁する大崎中央は3回戦で佐沼に敗れた。

 単独出場では加美農が4年ぶり、鹿島台商が3年ぶりだった。今年創部したばかりの日本ウェルネスは1年生チームで臨んだ。

 試合後の取材では、多くの球児が「仲間と野球ができる喜び」をかみしめつつ、大会への感謝を口にした。(大宮慎次朗)

     ◇

 東北地区高校野球連盟は2日、宮城県内で9日から始まる「令和2年東北地区高校野球大会」(同連盟主催、日本高野連後援)の組み合わせを発表した。東北6県の独自大会を優勝した計6校がトーナメント方式で競う。決勝は11日。会場はいずれも石巻市民球場(石巻市)だ。新型コロナウイルス対策として原則無観客で、開会式は行わない。

 同じ期間に宮城県内である軟式の東北大会も、組み合わせが発表になった。鹿島台中央球場(大崎市)と石巻市民が会場になる。