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 「2020年夏季静岡県高校野球大会」(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の準決勝と決勝が2日あった。西部地区同士の対決となった決勝戦は、聖隷クリストファーが浜松開誠館を6―5で下して頂点に立った。浜松開誠館は終盤まで追い上げる粘りを見せ、決勝にふさわしい好ゲームとなった。

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 最後の打者を左飛に打ち取り、優勝を確信すると、聖隷の城西裕太君(3年)は両手を突き上げた。「すごいうれしいの一言です」。ポーカーフェースで感情を表に出さないエースが試合後、満面の笑みを浮かべた。

 昨秋の県大会。準決勝の藤枝明誠戦に先発したが、5点のリードを守れなかった。翌日、静岡商にも敗れ、県内3位に入れず、東海大会出場を逃した。

 冬場、徹底的に走り込んだ。終盤まで投げきる体力に加え、最後まで集中力を保てるように精神も鍛えたかった。

 雪辱を誓って迎えた最後の年。さらなる試練が待っていた。新型コロナウイルスの感染拡大。目標だった夏の甲子園は、戦う前に消えてしまった。

 決勝では、三回からマウンドに上がった。午前中にあった準決勝は登板せず、満を持して臨んだが、交代直後に3連打を浴びて2点を失い、1点差に迫られ、昨秋の苦い記憶が頭をよぎった。

 「気持ちが入りすぎた」。緊張で球が浮き、甘い球を打たれた。冷静に自己分析し、持ち味の緩急を付けた投球で後続を断った。

 一度は目標を失いかけた厳しい大会。初戦の藤枝明誠戦では相手の投球が頭を直撃するアクシデントにも見舞われたが、最後まで投げきりリベンジを果たした。準々決勝の常葉大菊川戦は延長8回を投げ抜いた。

 大阪出身。上村敏正監督の指導を求めて聖隷の門をたたいた。「支えてくれた両親を始め、監督にありがとうと伝えたい」。試合後の言葉には、培ってきた強さがうかがえた。(和田翔太)

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