拡大する写真・図版スマホの操作画面。出社時に、今の気分を表す色などを選ぶ=日本特殊陶業提供

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 今朝の同僚の気分は何色? 自動車部品大手の日本特殊陶業(名古屋市)が、気持ちを色で表し、職場などで共有するシステムを開発中だ。互いを気遣ったり、会話を弾ませたりすることに活用し、職場環境の改善や生産性を高める効果が期待できるとみている。

 新規事業のプロジェクトで社内公募からうまれ、選抜チームが手がけている。システムは名付けて「グッドモーニングカラー」。

拡大する写真・図版玉が高く浮いていれば気分がよい状態。システムを利用するメンバーの状況を、一覧で確認することができる=日本特殊陶業提供

 出社時、スマホやパソコンで専用サイトを立ち上げる。21色(玉)のなかからその時の気分にあった色を選び、気分の良しあしも、0~100%の尺度のなかから選択する。コメント入力もできる。色で心理を分析するカラーセラピーの要素を採り入れ、選んだ色と連動して「信頼」「自分勝手」などの気分を確認できる。最近の気分の移り変わりをグラフで確認することもできる。

互いを気遣う風土 生産性や開発力アップ期待

 最大20人のメンバーで情報共有できる。管理職だけでなく、メンバーの誰もが見ることができる。他人に自分の気分を「見える化」することへの垣根が低くなるよう、カラフルな玉を採り入れるなど見え方の工夫もした。

拡大する写真・図版出社時、パソコンやスマホで専用サイトにログインし、今の気分を表す色などを選ぶ=日本特殊陶業提供

 会社の既存技術を応用したわけではない。プログラミングが得意なメンバーがアイデアをもとに、社内向けに「お試し版」をつくった。すると、「声をかけるきっかけになった」「自分の感情に向き合うきっかけになった」といった好意的な声が多かった。

車の点火プラグ最大手、新規事業に力

 開発に携わる浜口泰治さんは「役職に関係なく互いに気遣う風土づくりを狙っている。自己表現ができ、本音の対話のなかから施策が出ることによって、真の改善につながる」と説明する。生産性や製品開発力が高まる効果やメンタルヘルスの対策などに期待する。コロナ禍でリモートワークが広がるなかでも、コミュニケーションの改善やスムーズな意思疎通、メンバーの状態把握にも役立つとみている。

拡大する写真・図版日本特殊陶業の主力の自動車用点火プラグ。世界シェアでトップという

 8月から、関心を寄せてくれている企業に1カ月間、サービスを無償提供する。毎月定額で利用料を取るかなどは、反応を踏まえて詰める。9月に事業化するか最終判断する。日特陶は、自動車のエンジン点火プラグの最大手だが、業界は電動化など激動期にあるため、新規事業の創出に力を入れている。2018年、製造業の設備や技術などをシェアする「シェアリングファクトリー」が初の社内ベンチャーとして誕生した。(近藤郷平)