拡大する写真・図版今こそ聞きたいDX デザイン・岩見梨絵

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 昨年9月から東京経済部の記者となり、これまでに約500人の方と名刺交換をしてきた。ずっと気になっていたのが、長い役職名やカタカナの肩書だ。「コーポレートコミュニケーション&○○○○本部」の「課長代理 ○○担当」など……。最も長かった肩書は、なんと71文字。名刺には、小さな文字がぎっしり書き込まれていた。

 この人はどのくらい偉いのか、どんな仕事をしているのか。長々書いてある肩書からは、すぐに読み取れない。

 なぜこんなことになっているのか。国内外の大手石油会社で勤務した経験があり、比較経営文化論を専門とする岡本博之・名古屋市立大特任教授に聞いてみることにした。

拡大する写真・図版岡本博之・名古屋市立大特任教授=2020年7月15日、東京都内

おかもと・ひろゆき 名古屋市立大特任教授 千葉大文理学部卒 ワシントン州立大経営学修士課程卒 昭和シェル石油(現・出光昭和シェル)、英石油メジャーのBP、日大教授などを経て2013年から現職。

 長い肩書、カタカナの役職名が増えている理由はなぜですか?

 岡本さんは、「理由は大きく三つある」という。一つ目は、「年功序列、終身雇用制が崩れてきているから」。

 どういうことか。

 これまでの「部長」や「課長」といった肩書は、これは職務を示すのではなく、「ランク」を示していたという。

 「日本企業は入社してから約30年間でピラミッドを上がっていく。係長、課長、次に部長。どこの部長なのかは、営業部長であろうと経理部長であろうとあまり関係ない」

 「『部長』という肩書が重要であって、社員は他の社員を『この人は部長になった』とか『この人は課長止まりか』とかいう風に見る。社内でどの程度の位置にいるのか自分自身、対外的にもランク付けされている」

 なるほど。ただ、こうした肩書に「代理」とか、「補佐」がついている場合もある。課長代理や補佐、代行、担当部長……。一体何をやっているのかわかりにくい。

 「例えば企業に50人入って10年後、この同期の50人をみんな課長に、20年たったらみんなを部長にするわけにはいかない。課長、部長になれない人がいる」

 「すると、『何であいつは部長でおれは課長なんだ』と不満が出る。そういうとき、『部長補佐』とか『部長代理』として、どうにか同じようなランク付けをする。本人も満足し、会社でのステップを踏んでいると感じられる」

残り二つの理由はなんでしょうか。後半では、日本社会の変化や日本人の潜在意識にも触れながら、背景を読み解きます

■ランクから職務に、移り変わる…

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