拡大する写真・図版広島平和記念資料館東館エントランスのガラスには「観覧券売場」と印字されている=2020年8月1日、広島市中区、新垣卓也撮影

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 「観覧」。広辞苑は「絵や芝居や風景などを見物し、あるいは眺めること」としている。広島市中区の広島平和記念資料館への入館は無料だが、常設展示を見るには料金を払う必要がある。その料金について、館内の案内やパンフレットは「観覧料」と記す。

 東京都台東区の木村正さん(81)は、これに違和感を持っている。きっかけは3年ほど前、きょうだいが集まった食事会で「『観覧料』ってどう思う」と聞かれたことだ。木村さんは館内の展示を思い浮かべた。全身にやけどを負い、焼け焦げた衣服姿の被爆者の写真、そして自身の被爆体験……。

拡大する写真・図版亡き両親の思い出を語る木村正さん=2020年7月10日、東京都台東区、高絢実撮影

一目でわからなかった母

 爆心地から1・5キロの竹屋国民学校(現竹屋小学校)で被爆。両親も家も失い、以後親戚の家を転々。18歳で上京し、家具などをつくる江戸指物師として生きてきた。広島を離れて60年余り。記憶は薄れ、両親の顔も写真を見て「こうだった」と思い出すほどだ。

拡大する写真・図版木村正さんの亡くなった両親の写真。今も大切に保管している=2020年7月10日、東京都台東区、高絢実撮影

 だが原爆投下直後、逃げる途中に見た、あの姿は忘れられない。橋の上で名前を呼ばれて振り返ると、そこにはやけどで顔が黒焦げ、服もぼろぼろになった女性。一目ではわからなかったが、母だった。その記憶がよみがえった。

 朝日新聞の被爆者アンケートで…

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