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 コロナ禍で「夢の甲子園」が消えた夏。練習も、試合も出来ない日々があった。それでも球児たちは気持ちを立て直し、懸命に球を追って宮崎県高校野球大会2020の頂点を目指した。3年生にとっては高校野球の集大成。準決勝、決勝で敗れた3校の試合後のミーティングを取材した。(神谷裕司、二宮俊彦)

 準決勝で宮崎日大に敗れた延岡工。部員らは試合後、球場出口に並んで座った。

 松元響楽(きょうま)副部長が「みんなよく努力した。尊敬する。コロナ禍など個人の努力だけではどうにも出来ないものがある。そういうことが人生にはたくさんある。だからこそ、自分の努力で結果を変えられるところは変えなければならない」と語った。

 宮崎商、都城商、延岡学園と強豪を次々に破った。

 古川和樹部長は「ベスト4は素晴らしい結果。ベンチから外れた人も最後までよく頑張った。3年生24人全員の力が大きくなった。1、2年生は君たちの姿を強く感じたと思う」。岩崎全将監督は「試合ごとにみんなの成長を見ることができて感謝している。今回の経験を今後の人生に生かしてほしい」と話した。

 約30人の保護者らを前に、甲斐駿之介主将が涙ぐみながら、「やっぱり負けると悔しいです。1、2年生にはこんな思いをしてほしくない。先生たちの言うことを信じて頑張ってほしい。3年間、本当にありがとうございました」とあいさつした。

 日向学院は準決勝で最後まで粘ったが、宮崎学園に敗れた。球場出口脇で保護者らが見守る中、部員たちは岸本昌哉監督や小川拓也部長らを囲んだ。

 岸本監督は「甲子園も修学旅行もなくなって大変だったと思う。監督に就任して1年。私も無我夢中だった。こういう大会が出来てよかった。元気と笑顔を見せてくれて、本当にありがとう」と話し、涙ぐんだ。

 その後、選手16人と女子マネジャーの3年生17人全員があいさつをした。試合後は「悔いはない」と笑顔を見せていた選手たちも、並んだ列から順番に1人ずつ前に出て話し始めると、涙があふれた。

 「肩の故障で何度もやめようと思ったが、みんなの支えがあって続けることができた」「公式戦には一度も出られなかったが、仲間と野球が出来てよかった」「野球人生で学んだことを大学生、社会人になっても生かしたい」……。最後に、保護者や指導者らに「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。

 決勝で宮崎日大に2―12で敗れた宮崎学園。球場出口に集まった選手たちの傍らに「気張れ ミヤガク!! Go for win!!」のプラカードが置かれ、保護者が代わる代わる記念撮影をした。

 保護者らが見守る中、3年生が1人ずつ感謝の言葉を述べた。泣きながら言葉を紡ぐ選手や、笑顔で笑いを誘う選手も。

 「お母さん、毎日弁当を作ってくれてありがとう」

 「お父さん、アドバイスをくれ、いつも応援に来てくれて感謝しています」

 崎田忠寛監督(38)に促され、女子マネジャーも進み出た。「慣れない私を助けてくれてありがとうございました。いつも応援に来てくれて心強かったです」。選手にも「私をここまで連れてきてくれ、マネジャーとして幸せでした」。

 ノーシードから5試合を勝ち上がり、優勝も目前だった。崎田監督は「選手たちは最後までしっかり頑張ってくれました。いまはすがすがしい思いでいっぱいです」と締めくくった。