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 福岡県指折りの進学校が壮快に下馬評を覆した。独自大会福岡地区決勝で、福岡がプロ注目右腕・山下舜平大(しゅんぺいた)を擁する福岡大大濠に延長十一回タイブレークの末に4―3でサヨナラ勝ち。「120点です」とエース緒方。コロナ禍に振り回された夏を優勝という最高の形で締めくくった。

 しぶとかった。タイブレークに入った十回2死、9番山田の三塁後方に落ちる安打で1点を追いつく。十一回も2点勝ち越されながら大中、主将の森谷史の連打で同点。なお1死満塁で代打大堂が中犠飛で決めた。

 大堂はひょうひょうと振り返り、「緊張はしませんでした」。初球を見送ったとき、「(山下の)球威が落ちていると感じた」という。2球目の直球を迷いなくたたいた。

 準々決勝は逆転サヨナラ。準決勝も九回にひっくり返した。ともに2死だった。これで3試合連続の逆転勝ちとなり、まさに「ミラクル福岡」だ。

 この日はエース緒方の快投につきた。直球は120キロ半ば。一方、スライダー、チェンジアップの制球が抜群で緩急の利きはピカイチ。捕手の森谷史が間合いをはかって要求してくる直球の効果が倍増した。

 「チームは継投で勝ってきたので、いけるところまでいこうと。そうしたら最後まで投げていた」と緒方。九回まで被安打7、13奪三振で0―0のまま延長に持ち込み、チームは勝機を見いだした。

 甲子園が中止となり、進学校だけに3年生からは引退の声も上がった。だが、監督有志による大会が企画され、それが公式戦の独自大会に。やはり「最後までやり通そう」と結束した。福岡大大濠は昨夏の福岡大会3回戦で逆転サヨナラ負けした相手。緒方は「先輩にも最高の恩返しができた」と二重の喜びにひたった。(隈部康弘)