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 韓国大法院(最高裁)が日本製鉄(旧新日鉄住金)に賠償を命じた元徴用工訴訟をめぐり、日鉄は4日、同日午前0時に効力が発生した資産差し押さえ命令に対して即時抗告を行う予定だと明らかにした。

 日鉄は元徴用工問題について、「国家間の正式な合意である日韓請求権協定により、『完全かつ最終的に解決された』と理解している」としたうえで、「日韓両国政府による外交交渉の状況等も踏まえ、適切に対応していく。差し押さえ命令に対しては即時抗告を行う予定だ」との談話を出した。

 2018年の大法院判決を受け、原告側は日鉄が持つ韓国鉄鋼大手ポスコとの合弁会社の株式を差し押さえるよう大邱地裁浦項支部に申請。同支部は今年6月、日鉄に株式差し押さえの決定を伝える「公示送達」手続きを実施し、8月4日午前0時に効力が発生した。

 公示送達は当事者に書類が届かなくても、裁判所が書類を一定期間公開することで届いたとみなす仕組み。日鉄は11日までに抗告することができる。仮に抗告が認められなければ、同支部は売却命令に向けた手続きに入ることになる。

菅長官「現金化に至れば深刻な状況招く」

 菅義偉官房長官は4日の記者会見で「今回は差し押さえ命令だが、(原告への賠償に充てる)現金化に至ることになれば深刻な状況を招くので避けなければならない」と指摘。「関係企業と緊密に連携をとりつつ日本企業の正当な経済活動の保護の観点から、あらゆる選択肢を視野に入れて引き続き毅然(きぜん)と対応していきたい」と述べた。

 元徴用工問題をめぐっては、日本政府は日韓請求権協定で解決済みとの立場をとり、韓国側の責任で解決策を示すよう求めている。安倍晋三首相は昨年12月の日韓首脳会談で「現金化されるような事態は避けなければいけない」と述べていた。