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(3日、福岡独自大会筑後地区決勝 西日本短大付 3 - 1 久留米商)

 死球、三振、また死球。西日本短大付のエース浜崎太志君(3年)は、序盤から制球に苦しんでいた。「いつでも監督に交代のサインを出して良い」。捕手の島内亮輔君(3年)にそう伝えたが、島内君は交代を告げない。「信用してくれている」。そう感じた。

 浜崎君にとって、島内君は「中学時代からの片思い」だ。元々守備力の高さが評判の島内君を、一方的に知っていた。高校見学で偶然見かけ、思い切って「西短に来いよ」と声をかけた。この一言が、別の高校への入学を考えていた島内君の心を動かした。

 新チームになって背番号1と2を背負った2人は「甲子園に行こう」と誓い合った。だが、昨秋の筑後地区新人大会の久留米商戦は、野手の失策でサヨナラ負け。「俺のせいじゃない」。試合後にそう言った浜崎君に島内君は激怒した。「調子に乗るな。お前はエースじゃない」

 以来、試合途中でも島内君から監督に交代を告げられるようになった。好投しても褒めてもらえない。信頼されていないと感じた。「もう一度信頼されたい」。三振を狙う投球から、野手を信じて打たせて取る投球に変えた。

 決勝で、浜崎君は島内君の配球に一度も首を振らなかった。「島内と野手を信じて、打たせて取る」。六回以降、走者を出さなかった。優勝後、島内君が浜崎君に駆け寄ってくると、「ナイスピッチング」。初めて褒められた。(板倉大地)