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 自己と他者が、物理的・精神的に隔てられている今。コロナ禍にあって、美術表現は新たな意味を帯びてくる。

拡大する写真・図版黒川岳「雲」(映像)2020年

 京都芸術センター(京都市中京区)の企画展「ニューミューテーション #3」は、「生身の体」を使って制作する若手美術家3人を取り上げた。担当した水野慎子(のりこ)・アートコーディネーターは「作家はそれほどコロナを意識してはいないが、同じ作品でも見せ方や見え方が変わることで『ウィズ・コロナ』時代の展覧会となった」と話す。

拡大する写真・図版菊池和晃「円を描くⅠ ―マシン」2020年=表恒匡氏撮影

 菊池和晃が昨年末から取り組むのは、ハンドルを手動で約6千回まわすことで、歯車に接続されたハケが一つの円を描く装置のシリーズだ。「昔からアートが何の役に立つのかわからなかった」という菊池は、「無駄なことをするための効率」を追求することで逆説的にその問いに向き合う。最新作ではさらに機構が単純化し、晩年の吉原治良に由来するという円のイメージは実体を失ってプロペラの残像に代わる。

拡大する写真・図版菊池和晃「円を描くⅤ ―マシン」2020年=表恒匡氏撮影

 柳瀬安里は、ドイツにある「2…

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