川崎市長の「ヘイトなかった」は本当か 禁止条例1カ月
大平要
川崎市の「人権尊重のまちづくり条例(差別禁止条例)」が7月1日に全面施行されてから1カ月。特定の民族への差別や排除をあおるヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例は、実際にヘイトスピーチをなくすことができるのか。施行後の動きを追った。
条例施行から11日後の7月12日午後。日曜日とあって買い物客がひっきりなしに行き交うJR川崎駅東口で、その街頭演説会は行われた。
「私の発言が本当にヘイトスピーチなのかどうか。川崎市の職員は録音して、審査会にかけて頂きたい」
最初に演説した日本第一党の瀬戸弘幸最高顧問は、こう挑発した。
日本第一党は「国防を国民の義務に追加」「外国人参政権付与に反対」「外国人への生活保護廃止」などを掲げている政治団体だ。党首の桜井誠氏は7月の東京都知事選に立候補して、約18万票を獲得した。
この日の演説会は党が開いたものではないが、瀬戸氏はこれまでも、市内の演説会などで持論を発信してきた。
会場には混乱を避けるための…