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 勝っても負けても、ラストゲーム――。夏季県高校野球大会は5日、異例の「1位4校」を決め、幕を閉じる。コロナ禍、大会日程の変更などに見舞われながらも熱戦を繰り広げた8校が、最後の試合にどう挑むのか。特徴や大会への向き合い方を紹介する。

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 投打に優れる水戸啓明と、水海道二の粘り強さの力比べとなりそうだ。

 水戸啓明は、元広島カープ投手の紀藤真琴監督が約1年半育てた3年生全22人を選手登録。エース小島を軸に投手陣の層が厚く、打撃では3試合で安打31本のうち、本塁打2本を含め長打が10本。紀藤監督は「異例の大会を勝ち上がった経験は、3年生にとって貴重なものになる」と話す。

 水海道二は昨秋の台風19号で専用グラウンドが水没し、全体練習の再開は6月という不利な状況をはね返して初の8強入り。背番号は従来通り20番までとし、3年生全16人がベンチ入り。中山知久監督は「厳しい時代を教えたくて、あえて下級生全員には背番号を与えなかった。先輩の活躍に刺激を受けてほしい」。

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 昨夏準決勝と同じ対戦。この時は霞ケ浦が6―2で快勝した。互いに投手力が高く好試合になりそうだ。

 霞ケ浦は4回戦までに3年生全26人が試合に出場。その後、高橋祐二監督と3年生が話し合い、「最終戦は学年問わずベストメンバー20人で臨む」と決めた。左腕のエース山本は総和工との3回戦で、5回無失点被安打1と抜群の安定感。高橋監督は「20年の監督人生で最高の投手に成長した」と期待を寄せる。

 水城は大会前、3年生が「勝利をめざす」ことを選択。当初から下級生を含むベストメンバーで臨み、背番号も実力主義で決めた。関根茂彦監督は「真剣勝負をしたいという選手の思いを尊重したかった」。4回戦では、2年生エース樫村が石岡一を完封。息詰まる投手戦を制した「精神力」に注目したい。

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 互いに好投手を擁し、打線も好調で順調に勝ち上がった2校。土浦対決を制するのはどちらか。

 2018年夏優勝の土浦日大は、従来は監督が決める背番号を選手の投票で決定。3年生全35人と、下級生5人を選手登録した。小菅勲監督は「選手らはコロナ禍で逆に絆を深めた。彼らの納得できる形で終えたかった」。3年生中心に下級生も先発で出し、エース中川を要所で投入。3試合計30安打で強打も健在だ。

 土浦湖北はプロ注目で最速145キロの右腕・大坪を擁する。初戦で3年生19人全員が試合に出場。昨夏準優勝の常磐大との3回戦はベストメンバーで構成し、9―6で下した。3試合で43安打とこちらも強打。小川幸男監督は「県の1番をめざしてやってきた。勝ちにこだわりたい」と意気込む。

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 常総学院を破った多賀が、明秀日立の強力打線を前に、粘りきれるかどうかが鍵となりそうだ。

 明秀日立は大会前、金沢成奉監督と選手らが話し合い「3年生で臨む」と決定。例年は学年を問わず実力で選手を選ぶが、今年は3年生全31人を選手登録。背番号40番まで作った。2戦目までに3年生全員が出場し、全3試合でコールド勝ち。金沢監督は「最後まで3年生と共に勝ちを目指し、有終の美を飾りたい」。

 多賀はバッテリー含め8人が2年生。昨夏は初戦敗退だったが、3回戦で優勝候補の常総学院を撃破。勢いに乗って水戸一も破り、12年ぶりに8強入りした。エース神永は3、4回戦を完投し、自己最速の140キロを記録。岡英樹監督は「この先は未知の世界。歴史を変える瞬間を選手と共に味わいたい」。