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 政府の緊急事態宣言が解除された後に、茨城県内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人が166人となった。7月下旬以降は繁華街で集団感染が確認され、急増した。今春の感染拡大期に比べて症状の軽い人が多いものの、県は医療提供態勢を強化している。(片田貴也、久保田一道)

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 県と水戸市は4日、新たに感染者7人が確認されたと発表。県内で初めて感染者が公表された3月17日以降、累計の感染者は334人となった。このうち168人は宣言解除前の5月5日までに確認された。解除後に初めて感染者が公表されたのは6月20日。約1カ月半で、解除前と同程度の感染者が確認されている。

 宣言解除の前後で、感染者の傾向にはいくつかの違いがある。ひとつが症状の重さだ。前半の168人の感染者のうち、重症化した人と死者の合計は17人。4月には、重症者が一時6人に達した。これに対し、解除後は軽症や無症状の感染者が大半で、重症化した4人のうち、4日に公表されたばかりの1人以外はすでに回復した。死亡した人はいない。

 感染者の年齢層にも変化があった。解除後の感染者のうち、10~30代の若年層は6割を超える105人。60代以上は1割に満たない13人だけだ。解除前に感染が確認された人のうち、10~30代は約4割の64人。一方、60代以上も55人に達した。

 県幹部はこうした傾向について、感染が急増する東京都内と往来し、知人らとの接触の機会が多いのが若い層に偏っていたためだと分析する。

 大井川和彦知事は7月下旬の状況を「第2波だ」ととらえ、72床を確保していた県内の感染者用の病床を約170床に増やした。感染症指定医療機関ではない病院にも協力を得て、一般の病床を振り向けている。今後も感染者が増えた場合、最大で500床まで増やす用意があるという。

 3日時点の病床の稼働率は約28%。緊急事態宣言下の4月中旬に50%を超えた状況と比べれば、余裕はある。軽症者用に確保している宿泊施設も34室あり、必要に応じて増やしたり、医療機関に入院中の軽症者を移したりすることが可能だという。

 ただ、楽観できる要素ばかりではない。県外との行き来のない人の感染が増え、自治体別でも東京や千葉、埼玉に近い地域の居住者に多かった感染確認が、水戸市など県央地域にも広がってきた。水戸市の繁華街で発生したクラスター(感染者集団)では、直近で東京との往来が確認された感染者はいないという。

 県幹部は水戸市でのクラスターの発生を「県内各地から人が行き来する水戸で発生したのはショック。これまでとは明らかに様相が異なる」と分析。「若い人から、重症化リスクのある高齢者に感染が広がっていけば、医療への負担も増えかねない」と指摘する。

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 茨城県と水戸市が4日に公表した新型コロナウイルスの感染者7人のうち、県が発表したのは5人。2人が高齢者だった。東海村の80代の男性は重症で、人工呼吸器をつけているという。常陸太田市の90代の男性の感染も確認された。2人とも自宅で暮らしていたという。このほか、つくば市と稲敷市の30~40代のパート勤務の女性2人と、土浦市の20代の男性会社員の感染がわかった。

 水戸市は、同市に住む30代の無職女性2人の感染を公表。いずれも軽症。2人は集団感染が確認された同市大工町周辺の飲食店を利用した客と、7月下旬に市内で会食していた。