[PR]

 昼間のカラオケ「昼カラ」を楽しむ高齢者らの新型コロナ感染が千葉県内で相次いでいる。佐倉市では昼カラに関連して4店で計28人のクラスター(感染者集団)が発生した。このうち1店が朝日新聞の取材に応じ、発生の経緯や対策の実情を語った。

 従業員と利用客計9人の感染が判明した佐倉市上志津の「カラオケ喫茶トトロパートⅡ」。現在は30日まで自主休業中だ。7月下旬に来店した客1人の感染を保健所から伝えられ、追跡の検査で従業員らの感染が判明。さらにその後、別の日の来店客の感染もわかった。店主の萩谷繁夫さん(76)は「保健所の連絡があるまで、全く気づかなかった」と話す。

 同店は昼と夜の2部制で、昼(午前11時~午後5時)の部が人気で、高齢者らカラオケ愛好家が集まって歌声を披露する。「お客の安心安全のため衛生管理は徹底してきた」という。

 県は当初、同店などについて、「利用客の名簿を作っていなかったり、利用客の一部がマスクせずに歌ったりしており、業界の感染防止ガイドラインに沿っていなかった」とした。ただ、萩谷さんは「業界のガイドラインに基づき、お客の名前を売上伝票に記載し、名簿は作っていた。保健所にもそう説明し納得してもらっている」と反論する。県もその後、同店が名簿を作っていたと認めた。

 同店では、カラオケを歌う人用のお立ち台の周辺に天井からビニール製のシートを垂らし、飛沫(ひまつ)の拡散を防止。一人ひとりにマイクカバーを配って歌う人が代わる度に付け替えたり、除菌シートで拭ったりすることを徹底してきたという。

 定員23人を10人に制限し、換気扇4台もフル稼働。消毒用品に月1万~2万円を使い、入り口には「店内でのマスク着用を必ずお願いしています」との注意書きも張り出した。

 一方、県は同市の4店でいずれも歌唱中や店内滞在中にマスクを外した客がいたとした。県は「歌う時はマスクを着けてほしい」と呼びかけており、「カラオケ使用者連盟」などのガイドラインでも「歌唱に際しては、対人間の距離をできるだけ2メートル(最低1メートル)以上とり、マスクまたは目や顔を覆う防護具の装着に理解を求める」と規定する。

 ただ、いずれも要請にとどまる。萩谷さんも「実際にマスクを着けて歌うと息苦しく、マスクを着けるようお客に求めるのは難しい」といい、悩みも見せる。「さらに対策を考えないといけないが、相当難しい」とも話した。(上田雅文)