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 全国各地で開かれている独自大会。甲子園に道は続いていなくとも最後まで戦い抜いた球児たちへ、指導者や仲間が送ったメッセージを集めた。

伊香(滋賀)・隼瀬一樹投手(3年)

 昨秋の県大会準決勝で近江を延長十回まで無失点に抑え、チームは選抜大会の21世紀枠候補に選ばれた。だが、コロナ禍で練習できない期間が続き、調子を崩した。背番号は「10」になり、この日は代打から一塁手で出場したが、登板なく敗戦。「同点になれば登板もあったが、流れを持ってこられなかった。滋賀を制覇して地域を勇気づけたかった。これからの人生につながる試合ができた。プロを目指して、下を向かず目の前のことに集中していきたい」

安中総合(群馬)・清水惇投手(3年)

 中学時代はU15日本代表。甲子園常連校の誘いを断り、2学年上の兄と一緒に野球をするため、地元の県立高を選んだ。27日の健大高崎戦でも鋭いスライダーを駆使して好投したが、終盤に力尽きた。「3年間で球速も上がったし、私学に対しても自分の投球ができた。僕の選択は間違ってなかった。大学に行って4年間がんばって、プロを目指したい」

盛岡大付(岩手)・大久保瞬投手(3年)

 サイドスローから最速147キロを投げ込む右腕。準決勝では好投してライバル・花巻東の「夏の岩手3連覇」を阻止したが、四回途中から登板した決勝では本調子ではなかった。「甲子園がない年にあたったからこそ、ここまでがんばれた。この期間を、一番がんばろうと思っていた。これから先、どんなことがあっても乗り越えていける」

岡山南・森岡春海外野手(3年)

 八回の守備で右足がつり、治療して九回の打席に立ったが三ゴロに。ここでも両足がつってベンチに戻れずにいると、中学時代からの友人でもある倉敷商の貝原礼透(あやと)外野手がベンチを飛び出し、「飲んで」とスポーツドリンクを渡してくれた。「話すのは3年ぶり。うれしかった。好きな野球がまだできるんだし、楽しんでほしい。もっともっと高校野球を長く続けられるように頑張ってほしい」

能代松陽(秋田)・山田柊斗選手(3年)

 県内屈指の強打者だが、この夏は不振。決勝も四回の好機に併殺打など、4打数無安打に終わった。「自分の力がほとんど発揮できなかった。修正してもうまくいかず、夏は怖い、と思いながら終わってしまった。主将の園部がいつも『元気出して行こう』と言ってくれたのでついていけた」

渋川工(群馬)・小泉健太監督

 村上一光主将を中心に、自分たちで考える学生主体の部活動を目指してきた。「休校期間中も自分たちで連絡を取り合い、集まれる者は集まり、ノックを打ちに来て欲しいと連絡してきた」と生徒の成長をほめ、「最後の2週間は練習試合でも主体性が出てきて、一緒に野球するのが楽しくて仕方がなかった。ありがとうと言いたい」。シード校に五回コールド負けしたが、選手に感謝した。

彦根翔西館(滋賀)・伊吹克己監督

 6点リードされていた七回裏、1死二、三塁から申告敬遠で満塁にしたが、押し出し四球でコールド負けが決まる。「(敬遠は)私の判断です。選手は全員、最後まで諦めていなかったし、ひっくり返すつもりだった。併殺を狙いにいきました」。県内の1年生大会で準優勝した最上級生に、「夢を見させてくれた学年なので、勝たせてあげないといけないチームだった。ありがとうの一言しかない」と涙。