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 14、15日の仙北公演を皮切りに全国ツアーを予定する劇団わらび座(秋田県仙北市)のミュージカル「松浦武四郎~カイ・大地との約束~」の稽古が、佳境を迎えている。劇中で登場するアイヌ古式舞踊の稽古では、感染症対策のため北海道の保存団体からオンラインで指導を受けた。

 「腕を上げすぎないように」「視線が気になる。あまり動かさないで」。アイヌ舞踊の普及などに取り組む帯広カムイトウウポポ保存会の講師が、画面の向こう側から細やかな助言を送る。時折音声の乱れなどはあったが、オンラインでも大きな支障は無いようだ。

 北海道命名150年を記念して2018年に制作されたこのミュージカル。北海道の名付け親として知られる幕末の探検家松浦武四郎が、アイヌの人々と文化に触れ、和人とアイヌ民族の対等な共生を訴える姿が描かれる。アイヌ古式舞踊の要素を採り入れた振り付けも見どころの一つだ。

 アイヌの舞踊には、両足をそろえてかかとを上げ、ストンと落ちるように着地する特徴的な動きがある。18年の初演時は、同保存会を秋田に招いて直接指導を受けた。出演者の一人、森下彰夫さんは「アイヌの方々とじかに触れ合い、肌でアイヌのニュアンスを感じ取ったことが舞台に生きた」と振り返り、オンラインであっても今回も稽古を受けたいと熱望したという。

 同保存会の酒井学さんは稽古後、「気になったところを指摘したら即座に理解して直してくれるところが、さすがプロ」と手応えを語った。劇中では和人による圧政など、アイヌ民族の悲しい歴史が描かれるが、「こんな踊りもあるんだ、楽しそうだな、というところも見てほしい」という。

 公演は仙北市民会館で、14日午後2時~、15日午前10時半~。一般3700円、高校・大学生3千円、小中学生2700円(当日券は各300円増)。購入はわらび劇場(0187・44・3915)やチケットぴあなどで。(野城千穂)