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 街路樹などに集まるムクドリを天敵のタカを使って追い払う試みが先月、埼玉県朝霞市の東武東上線朝霞台駅周辺で行われた。毎年初夏から秋にかけてムクドリの大群による騒音やふん害に悩まされており、市が委託した鷹匠(たかじょう)がタカを操り、ムクドリの大群は四散。市の担当者は「効果はあった」と話している。

 先月27日夕、2人の鷹匠が駅北口のロータリーに姿を見せた。千葉県成田市の遠藤圭一郎さん(41)と静岡県浜松市の小松廣海さん(40)。小松さんの左手のグローブにはタカ科の猛禽(もうきん)ハリスホーク(5歳、オス)が1羽。体長45センチほど。くちばしが鋭く精悍(せいかん)な表情だ。

 追い払い作業は雨の中で始まった。夕方、ムクドリの群れがロータリー周辺の建物の屋上や電線などに集まり出し、午後7時ごろ、ねぐらにしている街路樹の葉陰に潜り込んだ。

 それを待って小松さんがハリスホークを放つと、ムクドリが潜り込んだ街路樹めがけて突っ込んだ。同時に、市環境推進課の職員がスピーカーから鳥の忌避音を流した。寝込みを襲われた形のムクドリはパニック状態となり、右往左往しながら散らばった。

 同課によると、付近のムクドリの数は「おそらく5千羽前後」。ムクドリは体長24センチほどで、全身は黒褐色で目の周囲や腰部が白い。大群をつくり、同市では初夏から秋にかけて駅前の街路樹などに集まる。地元商店会などが2年前から鷹匠による追い払いを行い効果があったため、今年度に市が予算を計上して実施することになった。

 四散したムクドリを追って、ロータリー周辺の公園や大木のある茂みなどに逃げ込んだムクドリを探し出し、何度もタカを放った。タカの羽が雨でぬれ、途中でもう1羽(6歳、メス)と交代。駅南口まで追いかけて作業を終えたのは午後9時半だった。

 遠藤さんは千葉県我孫子市などでもタカでムクドリを追い払い、効果を上げている。「タカに追われる恐怖心と忌避音により相乗効果が出る」と遠藤さん。

 翌28日夕も追い払い作業を続けたが、ロータリー周辺のムクドリの群れは大きく減っていて、作業は30分ほどで終了した。(斯波祥)