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 広島への原爆投下から75年の節目となる「原爆の日」を迎えた6日、広島市中区の平和記念公園で平和記念式典が開かれた。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、規模を大幅に縮小。松井一実市長は人々や国家間の連帯を呼びかけ、核兵器禁止条約に賛同しない日本政府に署名・批准を求めた。安倍晋三首相は昨年に続いて条約に言及しなかった。

 式典には例年、約5万人の市民らが参列する。今年は、被爆者や遺族ら785人が参列した。会場には、2メートルの間隔を空けて椅子が置かれた。参列者らは、原爆が投下された8時15分に合わせて黙禱(もくとう)した。

 松井市長は平和宣言で「『75年間は草木も生えぬ』と言われた。しかし広島は復興を遂げ、平和を象徴する都市になった」と強調。一方で国際的には核廃絶に向けた動きが不透明になっているとも指摘し、米国の「核の傘」に依存する日本政府に対して「核保有国と非核保有国の橋渡しをしっかりと果たすためにも、被爆者の思いを誠実に受け止めて核兵器禁止条約の締約国に」と求めた。

 安倍首相はあいさつで「非核三原則を堅持しつつ、立場が異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促す」と述べた。(東郷隆)