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 瀬戸内海に浮かぶ広島県呉市の下蒲刈(しもかまがり)島。原爆で家族3人を失い、孤児になった当時5歳の男の子が暮らし始めて、今年で75年になる。6日朝、テレビに向かって黙禱(もくとう)した。「お父さん、お母さんのことを思うと涙が出ました」

 藤井三郎さん(80)は広島市中心部の宝町(現・中区)で生まれた。

拡大する写真・図版本州と下蒲刈島を結ぶ安芸灘大橋が見える高台で、笑顔を見せる藤井三郎さん=2020年8月3日午後4時5分、広島県呉市下蒲刈町、上田幸一撮影

 あの朝、父は勤務先の活版を作る会社に出かけた。母は四つ下の妹を背負い、藤井さんと弟の手を引いて、近所の実家へ。2歳違いの弟を背中に乗せて「お馬さんごっこ」で遊んでいた時、ピカッと光って家が崩れた。「三郎!」。母の叫び声が聞こえた。母は家から出てこなかった。

 「足が熱い」と泣き出した弟の手をひき、裸足で近くの山へ逃げた。

 翌日、おばと母の実家の焼け跡へ行った。「これがお母さんの頭の骨」と言われたが、小さすぎて信じられなかった。しかし、もっと小さい骨があった。妹の骨と言われた。父は帰ってこなかった。

 広島市中心部の公民館などに連…

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