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 宮崎県内で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、日南市は、飲食店の利用客が連絡先を店に提出する「グリーンカード運動」を始めた。店で感染者が出た際、濃厚接触者に速やかに連絡がつく態勢を整え、感染拡大を防ぐ狙い。

 カードは緑色で名刺大。氏名、住所、電話番号、来店日時の空欄があり、客が書き込んで店にカードを渡しておけば、後日、いつ誰が来店したのかが分かる。

 全国でクラスター(感染者集団)が発生し、県内でも2例確認されている。そのうち延岡市の飲食店のケースでは、店が来店者の連絡先を把握していたため、「素早い感染者調査につながった」(県の担当者)とされる。だが、店が客の個人情報をいちいち把握するのは手間がかかるうえ、「連絡先まで聞くのははばかられる」との声もある。

 そうした実情を踏まえ、日南市は、利用客が自発的に連絡先を伝える手段として「カード運動」を発案した。カードは市のウェブサイトでダウンロードでき、何枚でも印刷して使える。

 飲食店には、カードを整理するだけで顧客の連絡先を把握できるメリットもある。市は、カード運動を普及させ、客にも飲食店にも感染予防の機運を高めてもらう考えだ。カードには「感染予防対策にご協力頂き、誠にありがとうございます」の言葉を添えた。

 市はすでに、必要な感染対策をしている店舗が緑の旗を掲げる「グリーンフラッグ」運動も進めている。

 今月中旬からは「新しい生活様式」として感染防止に取り組む家庭に緑のステッカーを貼ってもらう「グリーンフラッグプラス」運動も始める。玄関や壁などに貼ってもらう。感染予防の意識を市全体に広げようという取り組みだ。(矢鳴秀樹)

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 宮崎市は6日、「コロナ通知システム」の運用を始めた。店や施設、イベント会場にQRコードを掲示し、利用客が読み込んでメールアドレスを登録。同じ時間帯に利用した人の中から感染が確認された場合、市から「体調管理に十分注意してください」といったメールが送られる。

 同市は風評被害防止などを理由に感染者が出た店を公表していないが、通知システムのメールが届けば店が特定できる恐れがある。市は「店や施設にQRコード発行の申請をしてもらう際、特定される可能性も記載した規約に同意してもらう」と説明する。

 また、飲食店の経営者や従業員が感染の疑いがある場合に相談できる感染予防ダイヤル(0985・41・9384)を市保健所内に設置した。設置期間は11~16日午前8時半~午後5時。県による飲食店への休業・時短営業要請に合わせ、飲食業内の感染拡大を防ぐ狙いがある。(高橋健人)