橋田正城
親鸞の墓所として知られる京都・大谷本廟(ほんびょう)(浄土真宗本願寺派)を年に1度、必ず訪れる経営者がいる。伊藤忠商事の会長CEO(最高経営責任者)、岡藤(おかふじ)正広(70)である。敷地内に眠る創業者の初代伊藤忠兵衛らに業績を報告し、目標を誓うためだ。
拡大する初代伊藤忠兵衛らの墓に手を合わせる伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO=2020年6月25日、京都市東山区、橋田正城撮影
「ご加護があるんじゃないか」。6月25日、墓参した岡藤は神妙だった。今年に限って数日前にも訪れ、時価総額が三菱商事を抜いて業界首位に立った報告をしていた。すると翌営業日に株価も首位に躍り出た。市況に左右されにくい非資源分野に強い点がコロナ禍でも評価された。「今年は何が何でも(三菱を)抜く。三冠をめざす」。通期の純利益を加えた3指標で首位を奪取する決意を誓った。
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