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 毎年11月恒例の「唐津くんち」。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、曳山(ひきやま)巡行が中止になった。6日夜、佐賀県唐津市の唐津神社で記者会見して発表した戸川忠俊宮司(45)は「歴史的にまれな事例。このような判断をせざるを得ないのは悲しい」と語った。

 会見には唐津曳山取締会の山内啓慈総取締(71)、氏子総代の辻幸徳さん(71)も出席。山内総取締は「みんなの命をかけてのお祭り。危険にさらすことはできない。断腸の思い」。11月3日の神事は執り行うといい、辻さんは「コロナが一日でも早く収束するように、との祈願を兼ねての神事にしたい」と述べた。

 13番曳山(やま)の「鯱(しゃち)」(水主町〈かこまち〉)は、32年ぶりの保存修復作業を経て、お披露目の予定だった。町内会長の古瀬俊明さん(67)は「残念なのは14町の町内会長に共通している。コロナの状況に応じて鯱を見られる機会を作れないか、検討を始めたところ」と話した。

 中町のうなぎ料理店「竹屋」は毎年11月2日、目の前の通りで催される宵曳山(よいやま)を見る客でにぎわう。おかみの大木基予子(きよこ)さん(50)は「やむを得ない。みんな同じ気持ちだと思う」。西旗町の安田染(せん)工場は、法被や曳山の台に巻く「台幕」などを作っている。代表の福多哲二さん(48)は「『鯱』の台幕も新調の注文をいただいていたのに、巡行する姿を見られないのは残念。落ち着くまで我慢するしかない」と語った。(渡辺松雄)