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 JR北海道は7日、5年間にわたり運賃の精算で乗客から受け取った現金計約27万円を着服したとして、余市駅(余市町)の営業主任の男性(63)を懲戒解雇にしたと発表した。無人駅が多い北海道では、列車内や降車駅の窓口で現金をやりとりすることが多く、不正の温床になっている面がある。

 発表によると、7月29日、精算金を保管する収納箱の現金が事前に確認していた金額より少ないことに駅長が気づき、窓口で精算業務を担当していた男性に確認したところ、500円を着服したことを認めた。男性は2015年7月以降、月に数回、1回1千円~2千円程度を収納箱から抜き取り、通勤に使う車のガソリン代や昼食代に充てたと話したという。全額を弁済しているという。

 JR北海道によると、収納箱の現金は通常、営業終了後に確認・回収するが、精算の記録は残らないため、現金を抜き取っても分からないという。今回の着服は駅長の抜き打ち検査で発覚した。

 不正の背景には無人駅が多い北海道特有の事情もある。無人駅から乗車する場合、列車内の運賃箱に整理券と現金を入れるか、有人の降車駅で精算するため、現金のやりとりが生じる。多くの赤字ローカル線を抱える同社は、経費削減のため年々無人駅を増やしており、今年6月時点で全体の約7割の289駅にのぼる。

 同社は「経営改善に全社を挙げて取り組んでいる中、コンプライアンス違反事象を発生させたことを深くおわび申し上げます」とコメントした。今後は、抜き打ち検査の徹底などで再発を防ぐという。(長崎潤一郎)