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 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、人同士の距離(ソーシャルディスタンス)を保つよう求められる中、成田空港が混雑時の間隔確保に腐心している。航空需要の回復が遅れ、今のところ混雑はひどくないが、お盆休みに向けて気が抜けないという。

 「間隔を空けて少々お待ちください」。航空会社のスタッフが列に並ぶ旅客に声をかけて回る。4連休初日だった7月23日の朝。格安航空会社(LCC)が使う第3旅客ターミナルビルの搭乗口周辺は、沖縄や北海道に向かう人たちでにぎわっていた。

 間隔を取るよう促す掲示が各所に出され、館内放送が繰り返される。いすには隣を空けて座るよう「×」印が貼られている。旅客は整然と並び、密集する様子はない。列が途切れるまで並ばず待つ人もいる。出発ロビーの搭乗手続き機や手荷物預け入れカウンター周辺も混雑はなかった。

 減便されていた国内線が順次戻り始め、成田国際空港会社(NAA)は旅客の密集・密接を避けるための対策を強めてきた。保安検査場前で1カ所に絞っていた体温測定を3カ所に、搭乗券確認ゲートは5カ所に増設し、旅客の流れを妨げないようにした。

 それでも渋滞が起きた際には、間隔を空けて3列で並んでもらうよう、目印の足形をビルの入り口まで約130メートルにわたって床に貼った。事前に訓練をして行列整理の手順も確認した。23日早朝から状況を見守った担当幹部らは、「スムーズでよかった」と胸をなで下ろした。

 感染拡大がやまず、LCC各社のお盆期間の予約状況は芳しくない。ただ、NAAの担当幹部は「気を抜かず、館内状況を把握しながら、混雑しても混乱がないよう列の整理ができる準備をしていく」と話す。(福田祥史)