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 コロナ禍の中で迎えた戦後75年の夏。広島と長崎の二つの被爆地を結び、あの日から今日、そして未来へとつなぐ思いを込めて、「二重被爆者」の山口彊(つとむ)さんの孫、原田小鈴さんと広島の被爆2世、甲斐晶子さんに手紙を交わしてもらいます。今回は原田さんと甲斐さんの往復書簡、最終回。

甲斐晶子様(ナガサキ→ヒロシマ、3通目)

 甲斐晶子様

 コロナの影響でリモート講話を行いました。

 慣れないリモート講話の手順が難しく、聴いてくれる人との距離感が今までとは違い、慣れるまでに時間がかかりそうです。

拡大する写真・図版二重被爆した祖父、山口彊さんについて中学生たちに語る原田小鈴さん=2019年2月4日、大阪市天王寺区、大隈崇撮影

 人と人とがじかに会い言葉を届けて語り合うことが、どんなに尊いことなのかを考えさせられます。

 7月下旬には長崎の企業、ジャパネットホールディングスの「平和を考える研修」で講話をしました。

 担当の方から「社員が自分たちで平和の企画をし、自分で聞きたい研修を選択します。200人の希望者への講話です」と言われました。

 自発的な企画だと感じました。

 私は担当の方に「皆さんの年齢層は、出身地は」と質問しました。

 若い世代には戦時中の言葉を分かりやすく、県外の出身者の社員には「二重被爆」を詳しく説明をしたいからです。

 「20~30代の社員で、長崎出身者も多いですが、県外出身者は、それ以上です」と答えが返ってきました。

 私が講話をするのは、10~20代の学生が中心です。

 最近お会いした方に「学生時代に原田さんの平和講座の授業を受けました。今30代です」と言われました。

 私は、自分よりも若い世代へ講話することが多いのだと気が付きました。

 じゃあ、同じ世代やそれ以上の世代に話す機会はあるのだろうか。

 また、そのような場から求められたことがあるのか。

 若い世代に「継承を」と言うけれど、そもそも私たちの世代やそれ以上の世代はどうなのだろう?

 若者へばかり押し付けてはいないだろうか、と考えます。

 祖父が私に継承活動を強要しな…

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