【動画】コロナ乗り越え「みんなで栄冠」 津山東中が参加 岡山=菅野みゆき撮影
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 コロナ禍で中止となった第102回全国高校野球選手権の開会式が予定されていた8月10日、それぞれの場所で大会歌「栄冠は君に輝く」を演奏しようという企画に、津山市立津山東中(植月愼二校長)が参加する。生徒は本番を前にした7日、校内で開かれたミニコンサートで、練習の成果を保護者らに披露した。

 部員34人は中庭で「栄冠」など6曲を演奏。保護者らは取り囲む校舎の窓際で見守った。主要なコンクールが中止となり、吹奏楽部は目標を失っていた。打楽器担当の早瀬仁・吹奏楽部副部長ら3年生3人が「8月10日、『栄冠は君に輝く』を一斉に奏で、歌いませんか。夢かなわなかった仲間たちに、そして私たち自身にエールを送るために」と呼びかけ、「栄冠」の演奏を始めた。部員たちが今年観客の前で演奏するのは、このミニコンサートが初めてだった。途中からは見守る保護者も歌詞を口ずさんだ。

 終了後、クラリネット担当の野元七帆部長(3年)は「みんなで演奏ができることは幸せなこと。奇跡のように思える。このような機会を与えてもらって、感謝しています」と涙ぐんだ。自宅が集合住宅だったため、臨時休校期間中は周囲に民家の少ない祖父母の家に泊まり込み、毎日3時間の練習を続けた。無料通話アプリ「LINE」のビデオ通話を利用して、パートで合わせる練習をするなど、工夫を重ねた。

 高校野球中継を見るのが好きだという野元さん。それは「演奏を聴くため」だ。ファンファーレや応援演奏を聴くのが「ひそかな楽しみです」と笑う。あこがれの学校は例年の開会式で演奏する淀川工科高だ。「当日も感謝の気持ちで演奏する。野球と音楽で分野は違うけれど、気持ちは同じだと思う。一緒にコロナを乗り越えていきたい」

 「今年だからこそできることに挑戦させたかった」と、顧問の西本めぐみ教諭(43)が「みんなで栄冠」を部員に紹介した。西本教諭は岡山城東高校出身。1996年に同校野球部は選抜高校野球大会に出場し、帝京、浦和学院、明徳義塾を破りベスト4に進出した。吹奏楽部でサクソフォンを担当していた西本教諭も、甲子園球場で応援した。「試合に夢中になって、音を出すタイミングがずれてしまったこともあった」と振り返る。

 10日は、参加を希望する保護者らも楽器を持ち寄り、ともに演奏したり歌ったりする予定だ。

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 「みんなで『栄冠は君に輝く』」(#みんなで栄冠)は宇都宮市の中学校吹奏楽部顧問が発案し、朝日新聞が主催している。10日午前10時10分に、「栄冠」を歌ったり合奏したりする様子を動画で撮影し投稿しようというもの。投稿動画の一部は編集して、高校野球情報サイト「バーチャル高校野球」とユーチューブチャンネル「ブカピ 部活ONE」で公開する予定。動画投稿は特設サイト(https://www.asahi.com/shimbun/eikan2020/)から。(菅野みゆき)