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 新型コロナウイルスの影響で短い夏休みを過ごす子どもたちのため、香川県内の図書館が企画を打ち出している。新しい本と出会う仕掛けを考えたり、「旅した気分になれる本」特集をしたり。感染予防で大きな催しはできないが、身近な図書館で楽しんでもらおうと工夫をこらしている。

 観音寺市立中央図書館は、幼児や小学校低学年向けの「木(気)になる絵本」と題した企画を催している。23日まで。

 リンゴやブドウが描かれた木からくじ付きのカプセルを取り、中の果物の折り紙と同じシールが貼られた絵本を1冊借りる仕組み。どれも司書らのおすすめだが、英字新聞で包まれている。家族と来た請川(うけがわ)心美さん(11)は「何が当たるかわからなくて、ドキドキして楽しかった。妹や弟に読んであげたい」と話した。

 この図書館は2年前から、閉館後に肝試しをする「夜の図書館おとろしツアー」を開いてきた。スタッフがおばけに扮し、1日に約100人の家族連れらが参加する人気の夏休みイベント。だが、今夏は「コロナ予防の観点から悲鳴もあげられないし、肝試しコースや待合室の『密』も避けられない」と断念した。

 代わりに絵本の企画を提案した司書の柴田洋子さん(63)は「どこにも行きづらいこんな時こそ、普段は手に取らない新しい本と出会い、家で読んでもらいたい」と話す。

 まんのう町立図書館では、夏休み特別企画「旅した気分になれる本」を8月末まで開催中だ。

 入り口の床に、巨大な日本地図。自然、観光、祭りなど各地の魅力を伝える本が、地方ごとの箱に入る。「絶景」「旅ごはん」などのキーワードで写真集や紀行文を集めたコーナーのほか、世界各国の異文化にふれる本の紹介もある。

 ロビーのガラスには、スタッフ手作りの瀬戸大橋や坂本龍馬像の切り絵を貼り、撮影スポットに。床にもテープを貼り、縄文杉の幹の太さや奈良の大仏の高さを表現した。

 館内の至るところで旅の気分を味わえるよう心がけたという。「本の中なら世界を自由に旅してもらえる。大人も子どもも、近くの図書館で『本の旅』を楽しんで」と担当者。

 善通寺市立図書館は「来なくても本に親しめるサービスを」と、6月から絵本の読み聞かせ動画の配信を始めた。出版社の承諾を得て、地元ゆかりの昔話などを図書館のスタッフが朗読。ユーチューブや市のホームページに月1、2本ずつアップしている。

 国重博子館長(64)は「生活に制限がある時でも心豊かに過ごしてほしいと、図書館なりにできることを考えた。郷土に興味をもってもらったり、民話を継承したりする機会にもなれば」と話している。(多知川節子)