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(9日、愛媛独自大会決勝 松山聖陵13-5宇和島東)

 8日の準決勝で勝利した後、松山聖陵の岸田明翔(あきと)主将(3年)は言った。「やり返すのに、最高の舞台ができた」。決勝の相手は宇和島東。昨夏の愛媛大会決勝で敗れた相手だ。

 昨夏の決勝、九回裏1死一塁。同じく2年生だった宇和島東・舩田清志君に併殺に打ち取られた。試合終了。最後の打者になった。ダイヤモンドを行進する宇和島東の選手を横目に、誓った。「来年は絶対に優勝できるチームにする」

 バッテリーを組むエース、平安山陽君(3年)も同じ思いだった。「去年の夏が終わって、一から頑張ってきた。悔しさを晴らしたい」

 今年の夏。甲子園が中止になり、部員から「厳しい練習をやる意味あるんか」と投げかけられた。けれど、主将として、「最後までやり切って優勝する」との思いは変わらなかった。

 迎えた決勝。スタンドからは「倍返しだ」と声が飛ぶ。八回表2死満塁で岸田君に打順が回った。マウンドの舩田君の顔を見ると、バットを握る手に力が入った。「絶対にやり返す」。初球を振り抜き左前打に。13点目を挙げた。七回途中から登板した平安山君は7連続三振で試合を締めた。

 昨夏4点差で敗れた相手に、8点差で勝利。まさに「倍返し」だった。

 「ついてきてくれた仲間、応援してくれた人に、恩返しができた」。優勝を決めた瞬間、マウンド上の平安山君に真っ先に駆け寄り、喜びを爆発させた。(照井琢見)