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 新型コロナウイルス対策として政府が新設した制度で、銀行の貸し出しが過去最高の伸びだ。融資を糧に経営改善へ取り組む企業がある一方、公費で安定して稼げる「うまみ」に目をつけた一部金融機関は、ゆがんだ融資競争に走った。「貸して終わり」とせず、借り手の経営をいかに立て直すか。金融機関の真価が問われる局面を迎えている。

中小企業支える「ゼロゼロ融資」

 「次はこの生地でいきたい」。岐阜県内にある繊維メーカーの川村ニットで3日、新たなマスク製造の打ち合わせが開かれていた。川村康文社長(76)の言葉に、地元の縫製業バニラモードの栗山マキ社長(51)が熱心に耳を傾ける。

 2人の出会いは4月初めで、つないだのは岐阜県信用保証協会の小倉竹徳氏。協会は借り手企業から保証料を受け取り、銀行融資を返済できなくなった際、代わりに返す公的組織だ。地元経営者らの人脈が豊富な小倉氏は、川村社長が「マスクを作りたい」と訴えると、その場で栗山さんへ電話。2週間で量産へこぎつけ、3千枚を売り切った。

 協会は、コロナ対策で政府が設けた実質無利子・無担保融資にかかわる。「ゼロゼロ融資」とも呼ばれ、打撃を受けた中小企業を支える制度。売り上げが一時ほぼ半減した川村ニットも利用した。このお金で当面の危機を乗り越えるとともに、将来の経営安定を探る糧にする必要がある。小倉氏が2人をつないだのもマスクでの連携とともに将来を見据えてという。

 川村社長は娘の直子さん(48)へ事業承継を考えていて、「同じ女性経営者が相談相手にいる意義は大きい。ともに地場産業を引っ張る存在になってくれたら」と小倉氏。販売サイトの立ち上げも支援した。

コロナ禍で伸びる、金融機関の貸出金残高。銀行側が自らの懐を温めようと、「越境攻勢」と呼ばれる融資競争を引き起こすケースも出てきています。詳しくは記事の後半で。

 ゼロゼロ融資は返済の猶予期間…

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