ピンクと紫のランドセルを揺らしながら女の子が2人、駆けてきた。通り過ぎようとして急に立ち止まる。左を向いて深々と一礼。手を合わせるその先に、花に囲まれた地蔵があった。

拡大する写真・図版登校途中、地蔵に一礼して合掌する大谷小の児童。マスクは美和子さんの手作り。新型コロナの流行を受け、啓発役をお願いした=2020年6月11日午前8時1分、気仙沼市本吉町窪、星乃勇介撮影

 宮城県気仙沼市の市立大谷(おおや)小学校そばに、殉職した気仙沼警察署大谷駐在所の千田浩二警部(当時30)をしのぶ地蔵がある。9年前の東日本大震災で住民に避難を呼びかけていて、津波に巻き込まれた。横浜市の石材業者が寄付し、住民が守ってきた。高さ50センチほど。子どもたちは朝な夕な、そばを通るたびに合掌する。

 「八重歯のかわいい、笑顔が絶えない人だった」。毎朝子どもたちを交通誘導し、地蔵の手入れをしてきた鈴木治雄さん(72)は面影をしのぶ。地区の寸劇に刑事役で出演し、喝采を浴びた。みこしも担いだ。会えばにこやか、物腰柔らか。

 でも、あの日は違った。

 「千田さんが血相変えてた。『…

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