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 レバノンのディアブ首相は10日、国民向けのテレビ演説で、内閣を総辞職すると発表した。4日に首都ベイルートで起きた大爆発で163人が死亡、6千人が負傷する事態に、国民の間で政府の責任を追及する動きが広がっていた。

 ディアブ氏は演説で「今回の惨事が起きたのは長期にわたる政治や行政、国家の腐敗の結果だ」と強調。「腐敗勢力と闘ってきたが、私たちは孤立無援だった」と釈明し、「爆発の責任を取り、真の変革を求める国民の意思に応じることにした」と説明した。アウン大統領は総辞職を受諾し、後継の首相が決まるまでディアブ氏に暫定政権を率いるよう求めた。

 4日の爆発では、現場の倉庫で6年前から、爆薬原料の硝酸アンモニウム2750トンがずさんに管理されていたことが明らかになっている。実態を知りながら放置していたとして数千人規模の抗議デモが8日に起こり、閣僚が相次いで辞意を表明。ディアブ氏は総辞職のほかに事態の打開策はないと判断したとされる。

 レバノンでは昨年10月、景気の低迷や高失業率に苦しむ国民に政府が増税案を示すと、大規模な抗議デモに発展し、当時の首相が辞任に追い込まれた。同12月にディアブ氏が首相に指名されたが、指導層の宗派対立で組閣に時間がかかり、内閣発足は今年1月になった経緯がある。(飯島健太)