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 本州から約1千キロ離れた東京・小笠原諸島(小笠原村)での新型コロナウイルスの感染を防ごうと、東京都や同村、国立国際医療研究センターなどが11日から、「おがさわら丸」の乗船客へのPCR検査の試行を始めた。

 おがさわら丸は小笠原諸島に行く唯一の交通手段で、6日に1回、竹芝客船ターミナル(東京都港区)から父島に向けて出港している。感染拡大を受け、現在は900近い定員の半数ほどを予約の上限にして運航しているという。都によると、検査は無症状の感染者を発見し、島に着く前に対応して船内や島内での感染を防止するのが目的。検査に同意した6歳以上の乗船客が対象で、出港前に自ら唾液(だえき)を採取し提出する。この日は約380人の乗客のうち315人ほどが検査を受けた。

 検査結果は、父島に到着するまでの24時間以内に判明する見込み。陽性反応が出た乗船客は船内の専用スペースに移動させ、父島に到着後、自衛隊の航空機で搬送される想定という。

 都内で島嶼(とうしょ)部の住民が新型コロナに感染したのは、御蔵島村の1人だけ。小笠原諸島には診療所しかなく、新型コロナ患者を受け入れられないという。

 父島でスキューバダイビングをする予定という川崎市の会社員、高橋美穂子さん(41)は「ぎりぎりまで島に行くことを悩んでいた。周りには自費で検査を受けるという人もいる。これで安心して遊びに行けます」と話した。(荻原千明)