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 長野県安曇野(あづみの)市の特別養護老人ホームで、入所者の女性(当時85)が配られたドーナツを食べた後に死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた准看護師の女性(60)を逆転無罪とした東京高裁判決について、東京高検は上告期限の11日、上告を断念したと発表した。准看護師の無罪が確定した。

 一審・長野地裁松本支部判決は、施設が事故の6日前に入所者の女性のおやつを固形物からゼリー状のものに変えたことを記録した資料の確認を怠った准看護師の過失により、女性が窒息死したと認定し、罰金20万円の有罪とした。

 しかし、7月28日の高裁判決は「入所者の女性がドーナツを食べて窒息する危険性は低く、死亡を予見できる可能性も相当に低かった」と判断して一審判決を破棄し、無罪とした。

 高検の久木元(くきもと)伸・次席検事は「判決内容を十分に検討したが、適法な上告理由が見いだせなかった」とのコメントを出した。

 准看護師の女性は2013年12月、入所者の女性におやつのドーナツを提供。女性は食べた後に一時心肺停止となり、約1カ月後に低酸素脳症で死亡した。施設側と遺族の間では示談が成立したが、検察は准看護師の女性を在宅起訴した。