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(10日、長野独自大会 佐久長聖9-0飯山)

 佐久長聖のエース梅野峻介(3年)はこれまで救援はしたが、決勝が初めての先発。監督から「決勝は梅野」と言われていた。

 二回裏、梅野は飯山の一塁走者・田中李樹(3年)の目を見ていた。目がそれ、右足に重心が動く。その瞬間、矢のような牽制(けんせい)球。田中は戻りきれなかった。梅野は三、四回にも牽制死を奪った。「うますぎる」。飯山のベンチからはそんな声が漏れていた。

 コツを聞くと「猫の動きから学んだ」と大まじめに答えてくれた。「猫は目を合わせると緊張して止まる。目をそらすと動き出す。『走者も似ているな』って、感覚的なものをつかみました」

 これで飯山の足は止まり、盗塁はゼロ。三塁を踏ませない完封劇だった。

 3年前の決勝で敗れた佐久長聖。兄が最後の打者だった。兄が果たせなかった甲子園へのこだわりは強かった。「甲子園がないのは残念ですが、兄に最高の報告ができる」。最後の夏は最高の形で幕を閉じた。(遠藤和希)