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 福岡県警は6日、詐欺被害を未然に防いだとして、セブンイレブン中間通谷店(中間市)の入江武さん(48)に感謝状を贈った。鍵になったのは「5万円分」というフレーズ。1年ほど前のことを思い出した入江さんが機転を利かせた。

 80代の男性が店に来たのは7月10日午後6時ごろ。インターネットで使えるプリペイドカードを求める男性を、女性店員(20)が売り場へ案内していた。「5万円分」という言葉が気になり、入江さんは男性に声をかけ、事情を聞いた。

 「買わないと、パソコンが使えなくなる」。男性は焦った様子だった。この日の午後、自宅のパソコンに表示された「ウイルスに感染した」というメッセージを見て、そこに記載された番号に電話をしたという。電話口で男から、30分以内にコンビニで5万円分のプリペイドカードを買って連絡するよう言われ、急いで車を走らせたそうだ。

 1年前、店で同じようなことがあった。50代の男性客が5万円分のプリペイドカードを2枚買い、詐欺を心配した女性店員が声をかけたが、男性は「大丈夫」と言って店を出たという。

 5万円の商品は店ではとても高額で、入江さんは当時店にいなかったが覚えていた。プリペイドカードを買わせて記載された番号を聞き出し、購入分の金額をサイト上で使う権利をだまし取る詐欺の手口は、立ち寄った警察官から聞いていた。自分ならどうするだろうと、いつも考えていた。

 入江さんはカードを買おうとしていた男性に「カードを買ってもパソコンは使えるようになりません」と話しかけた。いったん自宅に帰るという男性に、「もう電話には対応しないでくださいね」と念を押し、住所や連絡先を聞き、110番通報した。店に来た警察官が男性の自宅へ向かい、詐欺を防ぐことができた。

 折尾署で感謝状を受け取った入江さん。「お店なので物は売らないといけないが、こういうことがあると大丈夫かなと心配になる」。それでも「今後も声はかけ続けたい」と話した。(板倉大地)