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 広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を国の援護区域対象外で浴びた住民ら84人全員に対し、被爆者健康手帳を交付するよう広島県と広島市に命じた広島地裁判決について、県、市と厚生労働省は11日、控訴することで合意した。厚労省は一方で、健康被害についての従来の政府判断の見直しも検討する。控訴期限にあたる12日に最終決定する。

 7月29日の判決後、厚労省は県や市と対応を協議。被爆から75年を経て原告が高齢化していることなども踏まえて検討したが、判決が援護の対象としてきた降雨地域などの被告側主張を全面的に否定した内容だったことなどから、控訴の判断に至ったとみられる。政府関係者は11日夜、「控訴することで合意した」と話す一方、健康被害について「病気の起因が(被爆に)あるのかを科学的に検証する」と述べ、援護の対象拡大についても「検証の結果次第」とした。