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 違う種類の植物をつなぎ、両方のよいところを利用する「接ぎ木」の仕組みの一端を明らかにしたと、名古屋大などのチームが発表した。タバコ属の植物を使うと、できないと言われていた遠縁の植物でも接ぎ木ができた。効率のよい接ぎ木技術の開発につながるという。将来、「瓜(うり)の蔓(つる)に茄子(なすび)はならぬ」という言葉はなくなるかもしれない。

 チームは、タバコ属の植物が、キャベツやブロッコリーといったアブラナ科や、マメ科など異なる科の植物と接ぎ木ができることを発見。38科73種で確認した。接着部分では細胞壁が消化されていたため、活発に働いていた79の遺伝子のうち、細胞壁を消化する酵素セルラーゼをつくる遺伝子に着目。セルラーゼが働かないと、接ぎ木しにくいことを確認した。この酵素によって細胞壁が溶け、接着するとみられる。

 接ぎ木の技術は古くからあり、病気対策や収量の向上などの目的で使われてきた。接ぎ木が成立する仕組みが応用できれば、接ぎ木に使える植物が広がる。乾燥した地域や塩害を受けた地域といった環境の厳しい場所でも育つ作物を作り出せると期待される。

 名大の野田口理孝准教授(植物科学)は「今回の成果は接着時の仕組み。ほかにも接ぎ木の重要なカギとなる遺伝子が働いているはず。植物の組織同士がつながる仕組みなどを調べていきたい」と話している。

 米科学誌サイエンスに論文(https://science.sciencemag.org/content/369/6504/698別ウインドウで開きます)が掲載された。(木村俊介)