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 石川県能登町に住む同姓同名の男性になりすまし、新型コロナウイルス対策の特別定額給付金をだまし取ったとして、名古屋市守山区野萩町、無職森進一容疑者(50)が詐欺容疑などで逮捕された事件で、県内外の複数の自治体へ森容疑者のマイナンバーカードを使ったオンライン申請がされていたことが、県警への取材で分かった。

 県警は12日、能登町分のオンライン申請について、詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで森容疑者を再逮捕して発表した。森容疑者は「間違いありません」と容疑を認め、「生活費に充当するためだった」と話しているという。

 珠洲署によると、森容疑者は5月19日、自分のマイナンバーカードを使って能登町の男性になりすまし、給付金をオンライン申請し、同月26日、男性分の10万円を自分の口座に振り込ませた疑いがある。署は、生年月日や連絡先は森容疑者のものを、住所は男性のものを入力したとみている。

 オンライン申請では、マイナンバーカードの情報と申請時の入力情報、住民基本台帳に基づいた給付対象者リストの三つを突合するが、能登町では確認作業をすり抜けたとみられる。

 森容疑者は7月8日、この男性名義の申請書の情報を書きかえて町に郵送で申請し、男性の家族4人分の給付金計40万円をだまし取った疑いで逮捕された。金沢地検輪島支部は同月28日、詐欺などの罪で起訴した。

 珠洲署によると、男性は5月中旬、自身と家族の申請書を町に送った。給付金が振り込まれなかったため6月中旬、町と署に相談。すでにオンラインで覚えのない申請がされていたことが判明した。男性の関係者によると、日本郵便には男性の転居届も出ていたという。

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 森進一容疑者と同姓同名の男性が、身に覚えのないオンライン申請をされた例は北海道でも起きていた。

 道内の自治体などによると、60代の男性は5月中旬、自身を含む家族3人分の申請書を地元の自治体に郵送した。自治体では同月下旬に給付金30万円を振り込んだが、その後、男性名義で男性1人分だけオンライン申請されていたことが判明した。

 自治体が男性に問い合わせると、男性はそもそもオンライン申請に必要なマイナンバーカードを持っていなかったため、自治体は、別人が申請したと判断したという。

 この申請で使われたマイナンバーカードの情報は、男性と同姓同名で、名古屋市に住む50代の男性だった。入力された住所は、この男性のものと似ていたが、生年月日は異なっていたという。

 石川県警は、東北以北の複数の自治体で、森容疑者のマイナンバーカードを使った申請を把握、関連を調べている。(堀越理菜、平川仁)