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 障害の有無にかかわらず誰もがスポーツを楽しめる鳥取ユニバーサルスポーツセンター「ノバリア」が、鳥取市布勢のコカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク(布勢総合運動公園)に誕生して1カ月がたった。訪れた人たちは新型コロナウイルスの感染予防に気を配りながら、笑顔で心地よい汗を流している。

 建設は県と日本財団の共同プロジェクトで、先月11日に開館。館内のスポーツ広場はバスケットボール半面、バドミントン2面の広さがある。土足のまま利用でき、靴を履き替えたり、車いすの車輪を拭いたりする手間がいらない。隣にはランニングマシンなど12種の機具を備えたトレーニングルーム(障害者の利用を促すため当面は障害者専用)。ヨガやエアロビクス、各種研修に使えるマルチルームもある。

 7日夕にスポーツ広場であった第1回のダンス教室。障害のある人、ない人をあわせて26人が参加した。フロアに入る前に全員がしっかり検温。最初にオリジナルのノバリア体操で体をほぐし、その後は音楽に乗ってステップを踏んだり、体を揺らしたり、ジャンプをしたりとダンスを楽しんだ。

 特別支援学校の小学部1年の女児は「楽しい。また来たい」と終始笑顔。別の参加者の付き添いできた家族は「本人は、いろんな人と関わるのが好きなので楽しんでいる」と話した。

 翌8日午前はフライングディスク教室。10人がマスク姿で参加し、プラスチックの軽い円盤を真っすぐ投げる練習をした。最初は手渡しするような近距離で始め、徐々に距離を伸ばしていく。みんな真剣だ。

 脳性マヒの20代の男性は足に装具をつけて参加。「立って、バランスを取りながら投げるというだけで、僕にとってはいい運動。コロナの心配もあるけど仕事休みや仕事終わりにどんどん来たい」と言いながら汗を拭った。

 ほかにも基礎運動、卓球、ジュニアスポーツといった各種教室が、休館の火曜を除く各日に開催されている。県から派遣されて館長を務めている橋上博文さん(47)によると、新型コロナの影響もあって参加者は定員のおおむね半分強。体を密接させるスポーツチャンバラといった種目は中止し、トレーニングルームの利用人数も制限していて、まだフル稼働には至っていないのが現状だ。

 それでも橋上さんは「初めてこういう運動施設を利用したと言ってくれる人もいて、手応えを感じている。コロナの状況も見ながら、もっと運動教室の回数を増やしていきたい」と話している。(東孝司)

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 福留史朗・県障がい者スポーツ協会長(63)の話

 ノバリアの特徴は県民体育館のすぐ隣にあること。全国に障害者優先のスポーツ施設は多々あるが、そのほとんどが地域の運動拠点とは別の場所に、離れて立っている。「共生社会」といいながら、別々が現実。ここのようにくっついているのは、東京のナショナルトレーニングセンターぐらいだと認識している。

 私たちの目的はノバリアを障害者スポーツの中心地にすることではない。障害がある人もない人も訪れる、このノバリアを含む布勢総合運動公園全体を、鳥取県のスポーツの中心地として発展させたいと考えている。

 ノバリアを、ぜひ近隣住民の方々も使ってほしい。館内はすべてフラットで、本当に誰でも利用しやすい施設なので。

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