コロナQ&A 回答:消費者問題に詳しい島幸明弁護士
Q 新型コロナウイルスの影響で、予約していた海外航空会社の便が欠航になりました。クーポン券への交換などを提示されましたが、全額返金を求めたところキャンセル料を請求されました。どう対応すればいいですか。
A 国内の航空会社で予約便が欠航になった場合は、日本の法律の規定に従って支払い済みの代金が全額返金されるのが通常だと思います。ただ、海外航空会社からチケットを買った場合はそうならないケースが多くあります。
具体的には、海外航空会社の約款の中に「外国の法律が適用される」と書かれている場合がそれにあたります。そうした時には、その国の法律の規定や、それにもとづく航空会社の約款に従うことが原則になります。つまり、そこにキャンセル料が発生すると書かれていれば、基本的には支払うことになると考えられます。
ただ、コロナによる欠航の場合は、海外の航空会社で特別対応するケースもあるようです。航空会社のホームページを確認するなどして、対応を求めることもできるかもしれません。
また、国民生活センターには、海外事業者との間でトラブルになった時の相談窓口「越境消費者センター」(https://www.ccj.kokusen.go.jp/home)があります。海外でのトラブルの事例が多く寄せられている機関なので、解決に向けたきっかけがみつかるかもしれません。
外国の航空会社からチケットを買う場合は、こうしたリスクをあらかじめ考慮しておく必要があります。(聞き手・贄川俊)
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しま・ゆきあき 第二東京弁護士会の消費者問題対策委員会・前委員長。「消費者問題法律相談ガイドブック(全訂版)」の執筆にも携わる。

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