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 「大統領に選ばれたら、勤労家庭と中流階級に注力する。大金持ちにではなく、一生懸命働くことに報いる」

 7月9日、ジョー・バイデン前米副大統領(77)が米東部ペンシルベニア州スクラントン郊外の鉄工所で語った。11月の大統領選に向け、「より良く建て直す(Build Back Better)」という目玉経済政策の発表場所として選んだのは、生家から車で10分の場所。新型コロナウイルスの感染拡大と歴史的不況、構造的な人種差別などの困難に直面する米国を、故郷に重ねているようだった。

拡大する写真・図版7月9日、出身地の米ペンシルベニア州スクラントンを訪れ、子どもに話しかけるためにひざをつくバイデン前米副大統領=AP

 周囲に炭鉱が広がるスクラントンはかつて、鉄工や縫製業で発展し、移民を集めて地域の中心都市となった。だが、炭鉱が廃れると空洞化した。バイデン氏の父もボイラー掃除の仕事のため、隣のデラウェア州まで通い、やがて転居した。バイデン氏と同じ小学校だったマイケル・ワショーさん(75)は「(生活が苦しくても)親は自分を犠牲にして子どもに楽器やダンスを習わせ、大リーグの試合に連れて行った」と振り返る。

 バイデン氏が10歳の頃、家族はデラウェア州に移ったが、週末はスクラントンへ戻り、教会のミサに出かけた。その後、決まっておじや祖父の友人が集まって政治の話をした。「政治の基礎は12歳の頃、祖父の家で学んだ」とバイデン氏は自伝につづっている。

 その後も街は衰退した。中心部からは百貨店や劇場が消え、19世紀末に建てられたビルには板が打ち付けられた。今の街の人口は全盛期の約半分。市商工会議所のボブ・ダーキン会頭は「米国の他の地域で起きたことと同じだ」と話す。

米大統領選は、共和党のトランプ大統領とペンス副大統領に、民主党のバイデン前副大統領とハリス上院議員が挑む構図が固まった。8月後半に民主、共和の両党大会が開かれ、本選が本格化する。17日から始まる民主党大会を前に、政権奪還を狙うバイデン氏の軌跡と課題を紹介する。

 政治も変化した。以前は組合の…

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