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 第78期将棋名人戦第6局の立会人は谷川浩司九段(58)。最年少名人の記録を持つうえ、名人位を5期獲得して引退後に永世名人を名乗る資格も保持する、名人戦と非常に縁が深い名棋士だ。

 ちなみに、「将棋年鑑2019」(日本将棋連盟発行)内の「棋士名鑑」では、「影響を受けた棋書は?」という質問に、豊島名人は「光速の終盤術」、渡辺挑戦者は「谷川浩司全集」と回答している。両対局者とも修業時代に谷川将棋を学んだわけだ。そんなレジェンドが、本局を見守っている。

自作の詰将棋を解説する谷川九段 突然マイクを向けられた藤井七段の回答は…

 谷川立会人は、対局開始前にも、非常に繊細な心配りを重ねていた。

 「この、ふすまは閉めた方がいいかもしれませんね」などと関係者に打診し、周囲としっかり相談しながら、両対局者が対局に打ち込める環境を整えていった。

 対局開始前にも、駒を並べ終えた両対局者に対し、「(対局開始の)10分前です」「冷房を24度で設定していますが、何かあったら記録係に言ってください」などと、丁寧に声をかけていた。

 タイトル戦登場57回、タイトル獲得27期という「歴戦の勇」ならではの、心配りだと思う。(佐藤圭司)