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 学生運動が盛り上がった1960年代後半にブームとなった漫画「カムイ伝」。組織に追われる忍者や世直しをもくろむ農民らが、それぞれの腕と才覚で身分社会に繰り返し挑んでいく物語は、社会の矛盾に敏感な若者を奮い立たせた。時を経て、新たな格差が広がる現代。私たちを苦しめる様々な壁に立ち向かう方法は一つではない、と同書は教えてくれる。

拡大する写真・図版2016年に東京・日本科学未来館で開かれた企画展「The NINJA―忍者ってナンジャ!?」で、跳躍力を鍛える「ヒマワリ跳び越え」に挑む子どもたち。約3カ月間で約16万人が訪れた=同館提供

 三重県伊賀市の伊賀流忍者博物館には毎年、20万人前後の入館者が訪れる。コロナ禍がなければこの夏休みも、親子連れなどでにぎわっていたはずだ。岡本恭輔館長補佐(34)は忍者人気の高まりを実感してきた。「祖父世代は時代劇、親世代は『忍者ハットリくん』、子世代は『忍たま乱太郎』、海外でも『NARUTO』などの漫画やアニメを通して忍者に触れる機会が多いからでしょう」

身分を超えた世直しを求める闘い

 白土三平さん(88)が造形したカムイも伊賀流忍者だ。江戸時代の被差別民「非人」の子に生まれ、力による脱出を夢見て超一流の忍術を身につけた。しかし公儀隠密として幕府存亡にかかわる秘密を知ったことで、組織を抜け、命を狙われる身になる。

 だが、「カムイ伝」は忍者の一…

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