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 千葉県君津市の小糸公民館に美しい壁画がある。少女の吹くシャボン玉が輝く中、飛ぶように少年がブランコをこぎ、母子が憩う。完成から約半世紀。地域に溶け込んだ平和な構図に秘められた子供たちの戦禍を知る人は少ない。太平洋戦争末期、君津地域には東京から大勢の学童が疎開した。絵の作者は引率教師。戦後75年、関係者は壁画とともに地元の戦争を語り継ぐ思いを強くしている。

 ガラスモザイクの壁画(縦2・6メートル、横6・7メートル)は公民館の広場にあり、1971年7月、同館完成に併せて制作された。原画の油絵を描いたのは秋田県出身の画家水戸敬之助氏(03~75年)。壁画の脇に「戦争の恐ろしさ、悲惨さを憂い……平和への願いを込めた作品」と添えてある。

 44年8月、東京の「中和国民学校」(現・墨田区立中和小学校)の美術教師だった水戸氏は4年生男児31人を引率して現在の君津市小糸地区の長谷寺(ちょうこくじ)に疎開した。

 墨田区の八重田賢一さん(86)はその一人。45年2月25日、米軍機の空襲で寺は焼け落ちた。八重田さんら学童は奇跡的に助かったが、風邪で寝ていた隣家の12歳の少女が犠牲になった。鎮魂を描いたのか、水戸先生は髪飾りをつけた美しい少女の肖像画を残した。住民が所有し「宝物」として大切にしている。

 八重田さんは3月10日の東京…

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