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 国立感染症研究所(感染研)が、国内で発生した新型コロナウイルスの典型的なクラスター(感染者集団)について、感染が広がったポイントをまとめた。防止には「3密」を避け、手洗いとマスク着用という基本の徹底が大切だと改めて呼びかけている。

 2月以降に発生した国内のクラスター100件超を感染研が分析。事例集では、リスクが高い環境を知ってもらうために、院内感染▽昼カラオケ▽職場会議▽スポーツジム関連▽接待を伴う飲食店▽バスツアーの六つの事例を紹介している。

 計9人の感染が確認された職場会議のクラスターでは、閉めきった換気の悪い空間で、マスクをせずに発表や議論が行われていた。さらに会議に参加していない職員にも感染が広がった。ウェブ会議にしたり、対面で会議をする場合は換気などを徹底したりするよう感染研は求めている。

 昼カラオケと接待を伴う飲食店でのクラスターは、同じ世代の人が、換気が悪く、狭い空間で過ごすことがともに特徴だった。昼カラはマスクをせずに歌うことも影響していた。また、客が複数の店を「はしご」したり、客から店員、店員から客と感染が広がったりして、大きなクラスターになっていた。

 バスツアーでは、運転手から、別々のツアーを担当したバスガイド2人に感染。ツアーを通じて長時間同じ空間を共有したことが原因だったと分析した。感染研は、長距離バスは換気が十分でないと感染のリスクがあると指摘する一方、通勤電車は多くの乗客がいるが、大きな声を出さず、駅で数分ごとにドアが開閉するため、一般的に感染リスクはそこまで高くないと説明している。

 女性5人の感染が確認されたジム関連クラスターは、運動する空間ではなく、比較的狭い更衣室で、利用者が集まったことによる感染が疑われた。

 最近は大学の部活動や寮生活を通じてクラスターの報告も出ている。感染研の鈴木基・感染症疫学センター長は、「密集した環境で、十分な予防をせずに長時間集まれば、年代を問わずクラスターが起こりうる」と指摘する。

 事例集は、厚労省のウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000654503.pdf別ウインドウで開きます)で見ることができる。(野口憲太)