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 戦後75年となる終戦の日の15日、2012年12月の第2次安倍政権発足後で最多となる4人の閣僚が、東京・九段北の靖国神社を参拝した。安倍晋三首相は参拝を見送り、自民党総裁として代理人を通じ、私費で玉串料を神社に奉納した。

 小泉進次郎環境相と萩生田光一文部科学相、衛藤晟一沖縄北方相、高市早苗総務相が参拝した。終戦の日に安倍内閣の現職閣僚が参拝するのは、16年に当時の高市総務相と丸川珠代五輪相以来4年ぶり。昨年9月の内閣改造で、以前から参拝していた首相に近い保守系の議員が多く閣内に入ったことが最多を記録した背景にある。自民党総裁の代理を務めた高鳥修一・自民党総裁特別補佐によると、首相は今年も「自民党総裁 安倍晋三」の肩書で玉串料を納めた。

 小泉氏は15日午後、環境省内で記者団に「(終戦の日の参拝に)ちゅうちょはなかった。(参拝に)行ったことがニュースになること自体がなくなる時代にしなければいけない」などと述べた。萩生田、衛藤、高市の3氏は私費で玉串料を納め、大臣の肩書を記帳したという。

 靖国神社には戦争当時の指導者で、極東国際軍事裁判(東京裁判)で「A級戦犯」とされた14人が合祀(ごうし)されており、中国や韓国が首相や閣僚の参拝を問題視している。首相は第2次政権発足1年の13年12月に参拝し、中国や韓国から強い反発を招いた。その後は参拝していない。

 衛藤氏は中韓の反発が予想されるとする記者団からの質問に「中国や韓国から言われることではない。そういう(報道機関の)質問の方が異常だ」と話した。ただ、4閣僚が参拝したことに、連立を組む公明党幹部からは「安倍政権のたがが外れたのか。閣僚は私人ではない。慎重に対応しなくてはいけない」との批判が出ている。

 一方、超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長=尾辻秀久・元厚生労働相)は一斉参拝を取りやめた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた対応だが、尾辻氏らは個別に神社を訪れた。自民党幹部では、下村博文選対委員長や稲田朋美幹事長代行らが参拝した。(小野太郎、坂本純也)

靖国神社に参拝した4閣僚の発言要旨

●靖国神社に参拝した4閣僚の発言要旨

小泉進次郎環境相 不戦の誓いは1衆院議員であろうと、大臣であろうと思いは変わりない。(終戦の日の参拝に)ちゅうちょはなかった。(参拝に)行ったことがニュースになること自体がなくなる時代にしなければいけない。

萩生田光一文部科学相 先の大戦で尊い犠牲となられた先人の御霊(みたま)に謹んで哀悼の誠を捧げた。1政治家として恒久平和を次代にしっかりと守り抜き、不戦の誓いを新たにした。

衛藤晟一沖縄北方相 国のためになくなられた方々への感謝と慰霊を申し上げ、平和を祈念した。閣僚だから、(閣僚)でないかは(参拝に)全然関係ない。中国や韓国から言われることではない。そういう(報道機関の)質問の方が異常だ。こういうことを七十何年間も続けてもしょうがない。

高市早苗総務相 1人の日本人として、国策に殉じられた方々の御霊に感謝の誠を捧げ、遺族の方々の健康と平和を祈った。国のために命を捧げられた方をどうまつり、慰霊するかは、それぞれの国民が判断することだ。決して外交問題にしてはいけないし、外交問題ではあり得ない。